本日、有志議員とともに官邸を訪ね、菅総理に対して以下の申し入れを行いました。

私の考えを皆様にぜひご理解いただきたく、お届けいたします。

皆様からもご意見をお寄せいただければ幸いです。

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平成23年7月13日

菅直人 内閣総理大臣殿

『菅総理の即時退陣を求めるの議』

国益を考える会

 

我が国統治の根本を踏み外し、国民生活、経済産業に致命的打撃を与える菅総理の即時退陣を求め、新しい体制の下で推進すべきエネルギー・経済政策を提言する。

 

1.菅総理の即時退陣を求める

今回の佐賀・玄海原発の再稼動をめぐり、菅内閣の機能は完全に崩壊した。菅総理は一旦自ら「浜岡原発以外は再稼動させる」と表明した。これを受け、海江田経済産業大臣は安全性を確認の上、玄海原発を再稼動させようとした。しかしながら、先日の予算委員会で、総理は海江田大臣の梯子をはずす形で、ストレステストの導入を再稼働条件として突如打出した。これは、政策の正否以前の問題として、もはや総理が内閣の一体的運営を自ら放棄したと言える。 このような政府に対する信頼失墜は、震災被災地の住民にも蔓延しており、もはや菅総理の下での被災地復旧・復興、福島原発事故の早期収束は実現不可能と断ぜざるをえない。

 それ故、菅総理の即時退陣を強く求めるものである。

 

2.新しい体制の下で取組むべきエネルギー・経済政策

(1)原発政策、原発代替電源政策については、短期と中長期に分けて考えるべきである。中長期的には、再生可能エネルギー普及促進策を早急に実行していくべきであるが、ベースロードとしての短期原発代替電源としては、最新技術、高効率の化石燃料電源、つまり天然ガス炊き複合発電や超超臨界圧石炭火力発電、中長期代替電源としては石炭ガス化複合発電などを促進するのが現実的である。これらの最先端技術発電はインフラ輸出の対象にもなりえ、化石燃料ではあるが地球温暖化にも貢献できる日本の強みの技術である。

 

(2)このように短中長期の原発代替電源の充実を図りつつ、時間をかけて原発比率を下げていくことには異存はない。しかし、現実を見据えた際、今夏、今冬、来夏の需給逼迫を乗り切るため、更には国民の生活水準の安定と企業の安定操業のためには、当面、安全性が確認された検査終了原発を早期に稼動させるべきである。

 

(3)すでに我が国は、法人税率高、円高、電気料金高のため企業立地が厳しい状況にある。その上に、電力供給不安が重なれば企業は海外逃避し、結果、雇用が失われ、地域経済、国民生活は苦境に陥ってしまう。

 

(4)今次事故を受け、安全性強化策の不備、及び政策推進機関(経産省)とチェック機関(原子力安全・保安院)が同一大臣の指揮下にあったことなどは猛省が必要である。今後は原子力安全・保安院を中立的に独立させ、海外の専門家の知恵と経験を活用する形で大胆に改革すべきである。同時に、国会の下に原子力事故検証委員会を設けて、中立透明な形で福島原発事故の検証と今後の対策を検討すべきである。

 

(5)最後に、復興に向けた総合経済対策も喫緊の課題である。電力供給制約がかかる中で、経済活性化のための経済対策を早急に実行すべきである。就中、法人税率の大幅引下げ、拡張的金融政策、企業の自由な活動と産業活性化を促進する規制改革を強力に実行すべきである。

 

失墜した政府への信頼と統治機能を取戻し、国家の経営資産を総動員して被災地を復旧・復興させ、国民生活と産業経済を安定且つ活力あるものにするため、今一度、菅総理の即時退陣を強く求める。 

以上