〇稲盛財団が主宰する「京都賞」の授賞式に出席、総理大臣代理として祝辞を述べました

京都賞授賞式1(2001.11.10)

〇式典前には、受賞者である坂東玉三郎さんと記念撮影を行いました

京都賞授賞式(板東玉三郎氏)(2011.11.10)

 

以下、授賞式での祝辞を掲載いたします。

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第27回京都賞授賞式 祝辞

 本日、高円宮妃久子殿下の御臨席を賜り、第27回京都賞の授賞式が開催されることをお慶び申し上げます。

 この京都賞は、「人のため、世のために役立つことをなすことが、人間として最高の行為である」という稲盛理事長の崇高なる理念の下に創設された賞であり、文明の発展や人類の精神的な豊かさをもたらす活動に多大な貢献をされただけでなく、誰よりも「世界を良くしたい、人類を幸せにしたい」という強い志を抱いてこられた各分野の要人に与えられる、栄誉であります。

 この度、栄えある本賞を受賞されたジョン・ワーナー・カーン博士、ラシッド・アリエヴィッチ・スニヤエフ博士及び坂東玉三郎様に対して、心からお祝いを申し上げます。 

 ジョン・ワーナー・カーン博士は、アロイ材料の機能を最大限に引き出す最適な微細構造の予測を可能にされました。この理論によって、アロイ材料開発の設計指針が確立され、材料科学の進展のみならず、素材産業の発展にも大きく貢献されてこられました。

 ラシッド・アリエヴィッチ・スニヤエフ博士は、現代の観測的宇宙論に大きな影響を与えるとともに、国際的観測プロジェクトを主導されるなど高エネルギー天文学の分野においても多大な貢献をされていらっしゃいます。

 坂東玉三郎丈は、歌舞伎の女形として、これまでにない独特な世界を展開し、立女形の地位を確立すると同時に、演劇・舞踊の分野の枠を越えた多彩な活動を国内外で繰り広げ、高い芸術的水準で多くの観客を魅了し続けていらっしゃいます。

 このように、各分野において、強い信念をもって人類の新たな「知」の地平を開拓され、多大なる貢献をされてこられた受賞者の方々に対して、深く敬意を表しますとともに、今回の受賞を契機として、更なる御活躍を期待する次第です。

 また、こうした方々の素晴らしい取組を評価し、称えるため、稲盛理事長がこの京都賞に注いでこられた並々ならぬ御功績と情熱に対して、感銘を受けるとともに、敬服いたします。

 最後に、受賞者の方々を始め、本日御参集の皆様のますますの御発展と御健勝を祈念いたしまして、私のお祝いの言葉とさせていただきます。

 平成23年11月10日

内閣総理大臣 野田 佳彦

代読:経済産業大臣政務官 北神 圭朗