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国会での発言・質問

国会での発言・質問

第165回 臨時国会 教育基本法に関する特別委員会

政府の改正案と新たに発足した「教育再生会議」との関係、教育に対する財政的な手当ての重要性について、伊吹文部科学大臣と塩崎官房長官に迫りました。

北神質疑
2006年10月31日 教育基本法に関する特別委員会
○斉藤(斗)委員長代理 次に、北神圭朗君。

○北神委員 おはようございます。民主党の北神圭朗でございます。

 本日、伊吹文部科学大臣そして塩崎官房長官に、教育基本法についてお尋ねしたいというふうに思います。

 伊吹大臣は、同じ京都選出の先輩議員でもありますし役所の先輩でもありますが、多少やりにくい部分もございますが、胸をかりるつもりで質問させていただきたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。

 きのう、この場で終日議論が行われまして、それを拝聴いたしまして、私も、お互い共通の認識としては、この日本の立て直しの方策の根幹にやはり教育というものがあるというふうに思います。

 京都の話になりますが、御存じだと思いますが、かまど金という話がありまして、要は、明治維新の際に天皇さんが江戸に行かれた。それで町衆の人口が非常に減った。商業もなかなかうまくいかないし、全体の町の活力というものがなくなっていった。京都の町衆が、そこでどうするのかということを考えたときに、やはり教育が一番大事だと。お国に頼るんじゃなくて、それぞれの町衆の家でかまどが一個あるのか二個あるのか、それに応じてお金を出し合って、日本最初の近代的な小学校というものができた。そういう伝統のある京都でありますが、日本全体においても、やはり教育というものがその再生の一番根幹にあるというふうに思います。

 ただ、戦後、占領の影響もあるでしょうが、日本国民自身が、さきの大戦に対する反動とかショックとかで、日本人の当然の感情としての自国の歴史や文化に対する愛着、あるいは信仰心、あるいはそれらに基づく道徳心、こういったものがなかなか教育の現場、教育論議ではタブーになってしまった嫌いがあるというふうに思います。そういう意味では、戦後の教育論議の中では空白が生じていた。

 この教育再生というのは、まさにその空白を正面切って埋めていくということだというふうに私も理解しますが、ただ、それは、我々にしてみれば当然の話かもしれないけれども、戦後の教育の議論の流れの中では、主流からは、大きな飛躍とまでは言わないかもしれませんが、やはり今までの戦後の日本の教育の論議からすれば、大きな変革であるということは間違いないことだというふうに思っております。

 したがって、その方向性については我々も非常に大事だというふうに思っておりますが、国民の皆さんの意識の浸透を図りつつも、これはやはり、時間をかけて慎重に議論していくべき話であるというふうに私は思っております。

 ところが、さきの通常国会の最後の方にいきなり教育基本法案が出てきた。小泉総理も余り関心をお示しにならなかったので継続審議になったわけでございますが、この臨時国会においても、何か拙速に事を運ぼうとしているのではないかというふうに見受けられる次第であります。というのも、教育改革の意思決定の問題について多少混乱があるのではないかというふうに思っております。

 それはどういうことかといいますと、安倍内閣が成立をした、教育基本法の議論がさきの通常国会からずっと来ている、そういった中で、安倍さんも非常に教育に力を入れるとお示しになりたい気持ちがある中で、教育再生会議というものを新たに設置したわけであります。

 私はそれについて多少驚いたわけでありますが、その一つとしては、文部科学大臣も御存じのように、大臣の諮問機関として中央教育審議会というものがあると思います。基本的に、教育の問題についてはここで議論するのが普通であるというふうに思いますが、その教育再生会議と中央教育審議会の関係についてどういうふうに整理されているのか、お尋ねしたいと思います。まず大臣から。

    〔斉藤(斗)委員長代理退席、委員長着席〕

○伊吹国務大臣 胸は幾らでもおかししますが、大変勢いのいい、強い新弟子ですから、どうぞ、かした胸を吹き飛ばさないように、ひとつよろしくお願いします。

 まず、再生会議と中教審の関係ですが、中央教育審議会は、もう先生御承知のとおり、これは国家行政組織法に基づく組織でございます。再生会議は、閣議決定による安倍首相の諮問機関だと私は思います。

 中教審の所掌の範囲の中で、今直面している教育の問題を解決できないことが非常にたくさんあります。

 それは、先ほどおっしゃった、例えば、かまど金というようなものの出てきたゆえんの商人道であるとかなんというものは、どういう形で形成されてきたのかということを考えますと、これはやはり、学校で教えたから出てきたわけじゃないんですよ。これは、京都の商家に代々伝わる家憲、家訓のようなものの中から、金はもうけなくちゃいけないけれども、仕入れ先をいじめてもうけちゃいけない、お得意さんに不義理をしてもうけちゃいけない、もうけたお金で自分のぜいたくはしてはいけない、公のためにこのお金を使うべし、私のうちなんかにもそういう家憲がございます。こういう中から当時の京都の商家の人たちがお金を出し合って、十近くだったと思いますが、小学校を寄附したんですね。

 これは、ありていに言うと、家庭の再生を果たして、その中で、祖先が立派に守ってきた家憲、家訓に書かれているような、法律に強制されていないけれども、やらねばならないものを伝達させるということが一つ非常に大切なんですね、家庭のしつけ力という。

 今現実は、経済が大きくなっちゃって、そしてほとんどの働き場所が都会に集中しちゃっておりますよね。だから家族は分断されるわけですよ、田舎と家庭で。そうすると核家族になりますね。核家族では、とてもじいちゃん、ばあちゃんが持っていた規範意識を伝えられないですよ、離れているわけで。これを再生しようとすると、同じところへやはり定着させねばならない。サッチャーなんかも、そういうことを考えたから田舎へ工場誘致を税金を投入してやったと私は思うんですが、公共事業、工場誘致、そこまでかかってきますね。

 それから、共働きが非常に多くなっておりますから、お父さん、お母さんを早くうちへ帰して子供と対話をさせない限り、家族というものはそこで成り立たないんですよ。早く帰すというと労働法規の問題にかかってきますね。これは少子化の問題の裏返しでもあるわけですよ。

 ですから、そういう問題をやるために、例えば家庭、地域社会の復権の委員会というものを一つつくっているわけですね。それから同時に、率直に言って、今までの中教審や文部科学省だけの流れの中ではどうも従来の行政にとらわれてうまくいかないから、外部の人から少しヒントを与えようというので、教育行政のあり方とかなんかというところもつくっているわけです。

 だけれども、その中で学校教育、中教審の守備範囲に落ちてくる御意見があれば、それは私どもの方に引き取って、中教審の御意見を伺って、法律その他をつくる場合は、また国会へ持ってきて皆さんの御審議にゆだねる、当然そういう位置づけになっておりますから、文部科学省としては、再生会議ができたことで権限争いをする気持ちなんて全くなくて、これは、どうも無料でアドバイザーができて非常にうれしい、そういう思いでおるわけです。

○北神委員 要は、省庁をまたがるようなことがある、文部科学省だけでは決められない部分があるということだというふうに思います。

 ただ、そういう省庁をまたがる横断的な教育に関する会議としては、つい五年前に、小渕、森内閣のもとで教育改革国民会議というものが設置をされておりました。実際これは、平成十二年の十二月に結論も出しております。要するに私が申し上げたいのは、たった五年前の話なんですよね。

 それで、官房長官にお聞きしたいと思いますが、今回の教育再生会議というものは、これまでの教育改革国民会議の方の取り組みとどこが異なってくるのか。つまり、これまでの取り組みにどのような問題があるというふうに認識をして、新たに教育再生会議というものを設置することにしたのかというものをお聞きしたいと思います。

○塩崎国務大臣 御指摘のように、平成十二年に教育国民会議が開催されて、その年の十二月に報告が出されたことは間違いないことでありまして、その後、それを踏まえた教育改革というのが行われてきたわけですね。

 しかしながら、その後この五年間といえども、さまざまな問題が起こり続けているという実態をどう考えるのかということで、先ほど来、生涯学習から始まって、広い意味の教育というものについての議論が先生方の間になされておりましたけれども、いじめの問題、子供のモラルの低下、学ぶ意識の低下、それから、家庭や地域の教育力の低下というのは繰り返しこの教育基本法の議論の中でも出てまいりますし、こういうことを考えてみると、やはり、教育をめぐるさまざまな深刻な問題についてはまだまだ道半ばというか、そういうことで、この教育改革国民会議が提起した問題で改革が進みつつある中で、さらにまた幅広い観点から、教育再生会議で議論をしていこうということでございます。

 先ほど、伊吹大臣から中教審との関係のお話がありましたけれども、幅広い議論をする中で、今度は、逆に教育再生会議で出てきた提言を中教審の方に大臣から諮問してもらって、さらにまた中身を詰めていくというようなことも当然起きてくるわけでありまして、学校、それから地域、あるいは家庭、場合によっては産業、企業の中、そういうところも含めて幅広くもう一回考え直そうということが、今回の教育再生会議の大きな目的でございます。

○北神委員 モラルの低下の話とかいじめの問題とかいろいろお話しされましたが、今報道でいろいろ取り上げられていますけれども、正直、それは大分前からあった話であって、前回の教育改革国民会議においても議論はなされているわけですね。資料の一ページとか二ページ、三ページにもありますが、かなり大幅に議論をしている。その集大成として、まさに教育改革国民会議において、教育基本法を改正すべきだというのが一つの結論として出されたわけであります。今、現時点でその教育基本法の改正案について政府が提出されて、議論している。

 したがって、この五年間の中で、いじめの問題とかモラルの低下とか、前になかったような問題が仮に発生しているのであれば、当然、政府としてはその教育基本法改正案にそういう部分についての対応というものも盛り込んでいるというふうに普通は思うと思うんですよ。だから、正直、何で新たにまた再生会議というものを設けるのかというのが非常に疑問だというふうに思っております。

 人によっては、別にいいじゃないか、教育について幾らでも議論を重ねるのは何も不都合じゃないというふうに言われる方もいるかもしれませんが、私があえてこういう質問をしているのは、これが教育再生会議の設置を知って驚いた一つの理由なんですが、教育再生会議でこれから行われる議論と、ただいま議論をしている教育基本法改正案との関係がいまいちはっきりしていないんじゃないかというふうに思っています。

 一言で言えば、これから教育再生会議において教育改革の根本的な議論を行うのであれば、まさにこれは教育基本法改正案にもかかってくる話ですから、普通に考えたら、再生会議の結論を待って、それで教育基本法の改正を行う、きのう鳩山幹事長も言っておられましたが、普通はそういう段取りになるのだというふうに思います。その関係について、教育再生会議での議論と、現時点国会で行われている、この教育基本法をめぐる議論の関係について、大臣にお尋ねしたいと思います。

○伊吹国務大臣 教育基本法というのは、これはもう申すまでもなく、教育の基本を定める法律ですから、この基本を定めることと教育再生の議論を別途しているということは、私は何ら矛盾することではないと思っておりますし、また、今も中教審でもいろいろな議論が現実に行われております。

 それで、今回定めていく教育基本法の内容と今審議をしている内容が全く違うというようなものが万一あれば、そういうことを例えば私が中教審に諮問するということは、これは、法律を出しながら、御審議をお願いしながら中教審に諮問するなんということは、私が何か頭の構造がおかしくならない限りは、そんなことはないと思います。

○北神委員 官房長官についても同じ質問をお願いします。

○塩崎国務大臣 今、伊吹大臣からもお話がありましたように、教育基本法は、本当に基本的な理念を説く法律、六十年ぶりにつくり直すわけでありますから、まさに基本の理念そのものを指し示すものだというふうに思うわけで、そこから社会全体のこの教育改革をどうやっていくのかということが進んでいくんだろうと思います。

 それで、この教育再生会議は、このような理念のもとで、基礎学力の向上などの学校再生とか、あるいは、規範意識が落ちていることをどうやってもう一回戻していくのかとか、家庭、地域の教育力の再生、さらには、その他のもろもろの政策について実効ある方策というのは何があるのかということを考えようということであって、この理念のもとでやっていこう、こういうことで、言ってみれば、教育再生の大きな基盤となるのが教育基本法ではないのかなというふうに考えております。

○北神委員 大臣と官房長官の答え、多少違うと思うんですね。大臣は、教育基本法というのは基本的に教育の基本事項について定める、教育再生会議ではそれ以外の話をするんだと。官房長官は、教育基本法において理念を定めるんだ、それで、それに基づいたいろいろな政策について教育再生会議で議論するということであると思います。

 いずれにせよ、皆さんは別々だというふうに言われますが、これは同じことについて議論しているわけですよ。資料の四ページの方を見ていただければわかりますが、これは、教育再生会議の第一分科会、第二分科会のテーマについて左側に列挙しております。下線を引いてありますが、教育基本法で我々が今議論していることと基本的に似通った、重なる部分があるわけですよね。四ページにおいては、左から下の方を見ると、「教育委員会など教育行政」、これは、ずっと議論になっている、教育の最終権限とか責任はどこにあるのかという話だと思います。五ページを見ると、「心の教育、伝統・文化の教育」、「規範意識、規律」、まさにこういったものが出てくるわけですよ。

 だから、官房長官が言われるように、教育基本法では理念を定める、その具体的な話は教育再生会議でやるというのは必ずしも当たらないんじゃないか。教育再生会議でもまさに理念について議論をしているし、仮に、具体的な話をしているんだ、教育基本法とは違って、もっと具体的な、詳細な政策について規定しているんだというにしても、これは国会の審議を軽視していることになるんじゃないかというふうに思うんですよ。

 というのは、もし、今議論している教育基本法改正案の理念に基づいて具体的な議論をある意味では先取りして教育再生会議で議論しているのであれば、これは、もうまさにこの改正案が当然通るものだという前提で進めてしまっているということだし、逆に、大臣が言われるように、教育再生会議と教育基本法について基本的に同じような議論をしている、何の問題もないというのであれば、例えば、教育再生会議が、心の教育とか伝統、文化についてここで教育基本法改正案と違う結論を出すことも理論的には十分あり得るわけですよね。

 そういった場合、教育再生会議でいつ結論が出るのか、来年の年度末ぐらいだというふうに言われておりますが、そこで結論が出て、仮にこの教育基本法改正案が通ったとしますよね、そうしたら、違う結論であれば、またその教育基本法を再改正するということもあり得るわけですよ。同じ「心の教育、伝統・文化の教育」、「規範意識」についてこれから教育再生会議の分科会で議論していくわけですから、そこの結論と教育基本法改正案の内容が異なる場合も理論的には十分考えられるわけですよね。その場合どうするのかということでありますが、その関係についてまた。

○伊吹国務大臣 まず、北神先生が資料として配付していただいたのは、私も再生会議に出ておりますが、最初、すべての人たちに、今の教育について考えていることを自由に各委員に言ってくださいというような運営をしておりましたね。その言った意見を、三つの分科会をつくることになっておるわけですから、その分科会に分けて整理をして、自由に意見を言わせたのはこの三つの分科会をつくる前なんですよ。そして、では三つの分科会をつくろう、三つの分科会に分けてやってみればこういうことだなという仕分けをしたこれは資料なんですよ。だから、整理が悪いと私は思うんですが、初めから分科会をつくっておって、何か意見を言わせた資料じゃないんです。

 ですから、先生も財務省でお仕事をしておられたのでおわかりになると思いますが、大きな法律のもとで、理念法のもとでいろいろここに書いてあるようなことを動かしていくことは、これは、各法あるいは予算その他の肉づけにおいて現実の行政が行われていくわけです。ですから、ここで議論していただいているような基本法である理念法と違うような議論が起こるとすれば、基本法を直すんじゃなくて、それは議論から落ちてしまうということなんですよ。それは当然のことなんですよ。ここが国権の最高機関ですから、ここで決めるのが、日本国の最後の、国民との関係の権利義務を決めるわけですから。

 ですから、ここで決めた基本法と違うことが論じられたら基本法を直さなければいけないということを、立法府に身を置く者はそんな自信のないことじゃなくて、我々が最高なんだという意識でやはり議論をすべきで、であるからこそ、ここに入っている項目は、ここで今議論をしていただいている民主党さんの案あるいは自公の案、これは、違ってきても、教育基本法がどちらの案が通るにしろ、それは基本法を直すんじゃなくて、各法を直すことによって対応していくという方向性になるわけですよ。

 ですから、何かここで決まったことで逆に基本法を直すなんということは、私は本末転倒の議論だと思いますよ。

○北神委員 それは私はちょっと違うと思うんですよ。

 というのは、各法の話が出ましたね、まず教育再生会議で議論して、もし教育基本法と違うような結論が出ると、それは各法とか予算で対応すべき話だと……。それは違うんですか。では、もう一度。

○伊吹国務大臣 違う議論が出れば、それは各法で対応すべきじゃなくて、教育基本法と違う意見が出たら、それは実行できないんですよ。

○北神委員 だから、同じような理念の話、同じ次元の議論を同じ項目について議論している、それで違う話が出てきたら、こっちの教育基本法の方が優先するということ、それは当然の話です。それは何ら私も疑いを持っておりません。ただ、それは国会の話でありまして、安倍総理、安倍内閣としては、教育再生会議というのはまさに諮問機関であるわけですから、そこで結論が出てきたものについて、それは参考にしないといけないわけですよね。

 ですから、私は、国会で審議したことが何も自動的に、強制的にひっくり返るということは申し上げておりません。申し上げているのは、安倍内閣の教育再生会議を設置した趣旨からすれば、当然そこで違う議論が出てきて、もう既に成立してしまった教育基本法と違っていたら、そこでは彼はどうするんですか。

○伊吹国務大臣 これは後ほど官房長官がしっかりとお答えしていただければいいと思いますが、一般論として言えば、先ほど来申し上げているように、閣議決定において設置された安倍首相のアドバイザリーボードなんですよ、再生会議というのは。中教審というのは、国家行政組織法に基づく法的な機関なんですよ。だから、ここからいろいろな助言あるいは意見を安倍総理は当然聞かれるわけですよ。聞かれて、それは、安倍総理のお立場からいえば、国権の最高機関でつくられた教育基本法というものをにらみながら、自分の行政権を持っている、各法を提出できる内閣にいろいろ指示をされるわけです。

 賢明な首相が、国会が決めたものと違う指示をされるということは、それはありません。

○北神委員 いや、まさにそこを私はついているわけでありまして、あり得ないんですよ。あり得ないのに、おかしいじゃないですか、その教育再生会議で今教育基本法改正案と同じ論点について議論しているのは。

 というのは、場合によっては安倍総理はそういう状態に追い込まれるわけですよ。つまり、彼がこの教育再生会議の議論や結論をコントロールできないわけですから。そこで委員の皆さんがいろいろ話して結論が出て、アドバイザリーボードとして意見が出てきて、それを参考にしてそこで判断をするわけですが、普通に考えたら、鳴り物入りで教育再生というもので教育再生会議を設置して、そこで結論が出てきて、いや、もう教育基本法が成立しちゃって、いろいろ理念は違うかもしれないけれども、これは申しわけないね、今回ちょっとその部分は取り上げられないよというような判断に追い込まれるからこそ、私は、教育再生会議の議論を待って、その結論を受けて、もう一度教育基本法について議論すべきではないかということを申し上げているわけでございます。

○伊吹国務大臣 再生会議というものは、法律に基づいて行われている会議ではなく、先ほど申し上げているように、閣議決定においてつくられた安倍首相のアドバイザリーボードですから、それはいろいろな御意見をおっしゃるでしょう。しかし、それを取捨選択するのはアドバイスを受けた首相であって、首相は国会で決めていただいた法律の枠の中で当然やるのであって、再生会議の結論を待って基本法の審議を始めろというのは、これは逆なんじゃないんですか。

○北神委員 いや、逆じゃないと思うんですよ。だって、教育再生会議で同じことについて議論しているんですよ。心の問題、伝統……(発言する者あり)いや、総理が選んだらいいんですよ。総理が選んだらいいんだけれども、総理が選ぶときに、彼が教育再生会議で出てくる結論をそんなにないがしろにはできないですよね。

 要するに申し上げたいのは、これは変なんですよ。大体、教育改革国民会議においてほとんど方向性が決まって、それに基づいて五年間かけて教育基本法の改正案を出された。そして、また教育再生会議というものを立ち上げて、そして、また同じ議論をやっているということは、百歩譲って、不自然だということは申し上げたいというふうに思います。(発言する者あり)いやいや、熱心だけで政治をやってもらっちゃ困るんですよ。これは意思決定というものがありますからね。

○伊吹国務大臣 今、もう少し再生会議の中身をごらんいただくと、再生会議で心の問題だとかいろいろなことを言っておりますよ。しかしそれは、それを現実に履行していく場合に、基本法と全く違うこととかということをおっしゃるけれども、それを履行していく場合のほとんどは、教育基本法のもとにある教育関係諸法及び毎年の予算、それから行政執行のあり方、それによって対応できるものを議論しているわけですよ。

○北神委員 いやいや、その前提の議論が違うんですよ。要するに、対応できるものを議論していると言われるけれども、そうじゃないじゃないですか。(伊吹国務大臣「どれなんですか」と呼ぶ)だから、資料の六ページ、「高等教育」もそうですし、その前の五ページ、「心の教育、伝統・文化の教育」、「規範意識、規律」、これはまさに教育基本法の理念的な話ですよ。

 それで、仮に、そんなことはないと思いますが、でも可能性としては、こんな心の教育はやはりだめだ、良心の自由に反するという結論を出す可能性もあるわけですよ、この教育再生会議で。そういった場合に、各法とか予算とかで対応できないんですよ。だってこれは理念の話ですから。基本法の話ですよね。そういった場合、理論的に言えば、教育基本法を改正しないといけないということになりますよね。

○伊吹国務大臣 それは、例えば規範意識を現実にそれではやろうということになれば、これはどういう具体的なやり方でやるのか、家庭教育をどうするのか、地域社会の教育力をどうするのか、あるいは学校でどこまで教えるのか、そういうことは各法にゆだねられているわけですよ、各法律に。ですからそこで、いろいろ大きなテーマとしては、なるほど、教育基本法の中に書かれている大きな項目のように見えますよ。しかし、大きな項目を再生会議が議論しているんじゃなくて、それを現実に実施していくためには、今のままではだめじゃないかとかどうだろうとか、そういう話をしているわけですから、だから、そこはやはり先生、そして、万が一、教育基本法の決定と今おっしゃったことは現実に起こり得ないと思うけれども、規範意識を教えなくていいという決定を、教育再生会議が架空の問題としてあり得たとすれば、それは、現行の教育基本法は規範意識を大切にという方向性になっているわけですから、賢明な安倍首相はそんなアドバイスは受け入れないんですよ。

○北神委員 おっしゃっているのは、この教育再生会議で行う議論というのは教育基本法に抵触しない議論だ、そういうふうに制限すると。でも、それはだれも言っていないですよ。出たら却下するということですよね。

○伊吹国務大臣 却下する権限は私にはございません。それは首相のアドバイザリーボードですから、賢明な首相が、そんなアドバイスが、賢明な教育再生会議がそんなアドバイスをされるわけもありませんが、万一された場合には、それは総理は受け入れないんですよ。

○北神委員 もう水かけ論になりますから次の内容の問題に移りたいと思いますが、本当にこれ、手順としてはやはり極めておかしいと思いますよ。おかしいよ。

 官房長官、最後に何かありますか。

○塩崎国務大臣 安倍総理が総裁選の間も唱えてまいりましたし、所信表明でも言ったことは、教育基本法は教育基本法で早期に成立をさせる、しかし、教育にかかわる問題は余りにも大き過ぎるし、たくさんあり過ぎて、これを議論しないわけにはいかない、やはり日本の再生をするためには教育再生をせないかぬということで、今回教育再生会議というのをつくった。

 したがって、あらゆる議論はもちろんします。そしてまた具体策をつくるときには、理念なくして具体策があるわけがないわけであって、その理念は、やはりこの場で議論される教育基本法で決まってくることだろうと思いますけれども、それを、教育基本法ができてから教育再生の問題を議論してくださいというふうに言っておられるかのように聞こえるわけでありますが、もう待ったなしの問題が毎日いっぱいあるわけですね。自殺もあるしいじめもあるし、いろいろなことがある。そういうときに、やはりみんなで英知を出して、ひとり文科省の問題だけではなく、幅広く教育問題を議論して、具体的に何をやるべきなのかということを皆さんから知恵を出してもらおうというのが教育再生会議でありますので、順番とかいうことを待っていられるほどの余裕もないほど、教育というのは今再生が求められているということだろうと思います。

 それで、先ほど申し上げたように、この教育基本法はやはり理念法であって、この理念のもとで具体的に何ができるのかということを議論していくのが教育再生会議であるということは全く先ほど申し上げたとおりでありますので、御理解を賜りたいと思います。

○北神委員 もう終わりにしますが、官房長官の言われたこともひっかかるところがあるんですよ。理念に基づいて教育再生会議で議論するというのは、今回、教育基本法改正案には新たな理念が盛り込まれているわけですよ。それが成立しないのに、それに基づいて議論するというのは多少おかしいと思いますが、次の中身の話に移りたいというふうに思っております。

 それは、具体的に、教育に対する財政支出の問題であります。

 格差の問題がよく言われておりますが、その一番根幹にあるのは、やはり教育の格差にあるんじゃないかというふうに思っております。先ほども戦後教育の問題点についても指摘をさせていただきましたが、一方で、諸外国と比較して立派な部分もあると。その一つが、公教育を通じて教育における機会の平等というものが非常に保障されてきたというところだというふうに思っております。

 ところが、ここ数十年間よく言われる話では、東大生の家庭の平均収入がほかの私立大学などよりも高いとか、あるいはデータを見ると、塾通いの子供が非常に多い。中学二年生で半分ぐらいが塾に通っている。これはお金が当然かかるわけであります。そういう意味では、機会の平等というものが失われつつある状況になってきているというふうに思っております。

 さらに、私の資料の七ページにもありますように、日本の高等教育に対する家計負担というものも、五六・九%となっていて、これも先進諸国の中でも断トツになっているわけであります。

 大臣にお尋ねしたいのは、こうした教育における機会の平等というものが確保されにくくなっている状況について、どう認識をされて、どうお考えになっておられるのかというものをお聞きしたいと思います。

○伊吹国務大臣 先生がおっしゃったような傾向があるということは私も受けとめております。

 しかし同時に、いろいろな諸外国の統計を見ますと、実は、日本ほど親の所得、親の地位で教育のレベルが違わない国はないんですよ。これはやはり大切にしておかなければならない。だから、この傾向がどんどん外れていくということについて教育の責任者としてできるだけ歯どめをかけるというのは、これは当然のことなんですね。

 ただ、今おっしゃっている高等教育の部分になってきますと、義務教育の部分は割に議論がしやすいんですが、義務教育を終えて実社会に出られる方がおられるわけですよ。この方は、汗とあぶらにまみれて、源泉徴収された所得税を納めていますね。この方々の所得税で公教育の方々をどこまで援助するかということについては、やはり国民間の議論をかなり深めなければならない。

 私は少しやった方がいいんじゃないかという立場なんですけれども、これは、財源の問題と、いろいろなことがありますから、そこのところは先生もよく御認識をいただいていると思いますので、ひとつ御協力もいただいて、できるだけ国民の理解を得て、今先生がおっしゃったような傾向に歯どめをかけるようにお互いに協力したいと思っております。

○北神委員 その点については私も同感であります。

 高等教育についても、民主主義のかがみと言われているアメリカなんかでも、ハーバード大学なんかは、自分の両親とかおじいちゃんとか代々通っている人たちが優遇されたり、大体三割ぐらいがそういう方たちが優遇されて入学を認められる。それはそれで必ずしも悪いことではないと一方で思うんですよ。いわゆる、単なる学力だけじゃなくて、教養とか、そういう環境に育った人たちの社交的なそういった部分とか、一種リーダーシップみたいなものも恐らくはぐくまれてくると思います。

 しかし、やはり日本というのは、基本的には機会の平等で、だれでも自分の能力に応じた大学に行けて、社会でも非常に流動的な、ダイナミックな社会だというのが強みであるというふうに思いますので、そういったところはやはり失っちゃいけないというふうに思っております。

 ところが、教育の機会の平等という問題は、親の所得に左右されずに、自分の望むような教育を受ける、そういう話だというふうに思いますので、やはり財政支出というものが重要になってくる。財源の問題というふうに先ほど大臣もおっしゃいましたが、それはそのとおりですが、実際よく知られている数字で、資料の八ページにありますが、教育機関に対する公的財政支出の対GDP比を見ると、先進諸国、OECDの加盟国の中で、平均が四・七%ある。我が国は三・一だという、著しく低い水準にとどまっているわけであります。

 また、機会の平等の問題だけではなくて、先ほど官房長官からも、安倍総理は教育というものを第一優先に考えておられる、そういう政策を強力に推進していくということであります。きのうも、審議の中で総理からはっきりと、教育というものは未来への投資をするんだということを言われております。投資というのは、やはりこれも財源が必要な話であるわけでございます。

 予算は、まさにそういう意味では政策を映し出す鏡であるというふうに思いますが、教育再生を内閣の重要課題として掲げるのであれば、政府として教育に対する財政的な手当てをしっかりやっていかないといけないというふうに思いますが、その点について大臣の見解を伺いたいと思います。

○伊吹国務大臣 私は、文部科学大臣である前に実は国務大臣ですから、行政権を預かっている内閣の一員でございます。したがって、文部科学大臣の立場としては、もう先生のおっしゃっていることに一言の異議もございません。

 ただ、同時に、予算の提出権は内閣にあるわけですから、これは、負担と給付の関係を考えながらどこかでバランスをとっていかねばなりませんので、私は、今、先生の御意見に従って文部科学大臣としてできるだけ頑張ってやりたいと思いますが、ひとつ民主党も御支援いただくと同時に、官房長官から、なるほど、そのようなとおりだという御意見をひとついただければさらに心強いことだと思っております。

○北神委員 行政大臣と国務大臣というのを見事に分けて答弁されたわけでございますが、財源というのは、最近、財務省のプロパガンダが本当に浸透してしまって、自民党の議員からも、財源はどうなっているんだとか、すぐそういう話が出るのに私なんかは非常に隔世の感があるわけでありますが、徳川時代、ちょっと古くなりますが、岡山の財政再建を果たした山田方谷という方がおられまして、この人が言うには、財の内に屈するな、財の外に立てと。要するに、財政が厳しいというのはわかっている、でも、そればかり考えて、財務省の主査のように歳出を減らしたり、主税局のように増税ばかりして、そんなので本当に財政が立ち直るかというと、立ち直らないし、国の活力というものももとより出てこないという言葉がありますが、私は実はそのとおりだというふうに思っております。

 それで、もう一つさらにその財源の問題について突っ込みますと、教育の議論とある意味では離れたところで、骨太の方針二〇〇六というものがことしの七月七日に閣議決定をされております。これは、御存じのように、今後五年間の国家予算の歳出改革の道筋を示したものだというふうに言われております。

 その中で、私の資料の九ページにあると思いますが、下の方ですね、囲んであるところです。その一番最初の丸ですが、こういう文言がございます。「文教予算については、子どもの数の減少及び教員の給与構造改革を反映しつつ、」「これまで以上の削減努力を行う。」これまで以上のということでありますから、果たして、ではこれまでの文教予算というのはどう扱われてきたのかというと、これは資料の十一ページの一番下の方にあります。右の方に下がっていくグラフですが、文教予算というものを相当削減しているという状況であります。それを、骨太の方針、閣議決定でありますが、今後さらに削減するということになっております。

 繰り返しになりますが、格差の根幹にある教育の機会の平等、これは非常に大事な話でありますし、教育を最重要課題としている安倍内閣としても、教育の格差以外の部分でもやはりこれは強力に力を入れていくべき話でありますが、実際には、骨太の方針二〇〇六というものが閣議決定をされて、全く逆の方向性を示しているわけであります。こういった消極的な姿勢では教育再生というものはなかなかできないというふうに私は思いますが、大臣のお考えはいかがでしょうか。

○伊吹国務大臣 骨太の方針は、今先生おっしゃったとおりです。しかし、同時に、安倍内閣では、その方針の上に安倍内閣としてのやはり政策的色づけを予算面でつけていかねばなりませんから、再チャレンジの予算要求枠とか、御承知のようにいろいろな特枠をつくっておるわけですね。それを使って要求をいたしておりますので、現実には文教予算はマイナスの要求をしておりません。かなりふえた要求をしております。

 ただ、これを今度は財務大臣に削られちゃうと困りますので、ですから民主党も、今先生がおっしゃったようなお考えであれば、ぜひ御協力をいただいて、しっかりとやっていきたいと思います。

○北神委員 では、官房長官に今の質問を答えていただけますでしょうか。教育というものを最重要課題として掲げているわけですから、この骨太の方針のようなこれまで以上の削減努力というのはやはりおかしいのではないか。それをはね返すぐらいのそういう気概で臨むべきではないか。さらに言えば、具体的には、骨太の方針を撤回することもあり得るのかということもお聞きしたいと思います。

○塩崎国務大臣 骨太の方針は閣議決定をされているものでございますから、それをひっくり返すことはあり得ないというふうに考えます。

 先ほど御指摘いただいたように、安倍総理から昨日も、未来への投資、これこそまさに教育への考え方だということで御答弁申し上げたところでございます。本当に、日本の将来をつくるのは将来の子供たちで、そして、その将来の子供たちをつくるのはやはりこれからの教育だろうと思いますから、その点は間違いないことだと思います。

 今、骨太の方針の歳入歳出の一体改革のところを引用していただきました。これまで以上の削減ということで、けしからぬ、こういう話でありますが、御案内のように、予算というのは限られた資源をどこにどう配分するのか、まさに、これをどうやるのかによって政権はその政権の味を出すわけであって、それがだめなときには政権交代が起きるということであります。

 いろいろなアジェンダがある中で、財政再建、先生も財務省御出身であるだけにその重要性はよくわかっておられると思いますが、我々としては、その重要なものに重要な価値を置く。教育なら教育に対して、全体の財政再建の中で大きな方針を持ちつつも、どういうめり張りのきいた、また、効果のある予算というものの使い方というか、限られた資源の、つまり、税しかないわけです、それはきょうの税かあすの税かは別として、基本的にはない。社会保険であれば保険料がありますけれども、あるいは窓口負担もありますが、限られたこの資源をどう割り振っていくかということは、これはまさに腕の見せどころになってくるわけでありますから、その価値観と、数多くあるアジェンダの一つの大きな柱である財政再建とをどう組み合わせていくのかというところが問われるわけで、これはやはり、最終的には国会で皆でこの予算を議論するということになってまいりますから、そこでまたもう一回、先生を含めて御議論を賜るということになるんではないかというふうに思います。

○北神委員 官房長官から、閣議決定だからもう変えられないということを踏まえれば、これまで以上の削減努力というものは、これは絶対的な方針となるわけですよね。伊吹大臣もそれは気の毒ですね。プラスの要求をしている中で、それはもう方針ということで受け付けられないということになるというふうに思いますが。

 私が申し上げたいのは、確かに財政再建というのは大事だ、私も財務省にいたからこそ、ただ、それを果たすために歳出歳入の改革だけでは無理だというふうに思っているわけですよ。レーガンの時代もサッチャーの時代も、それは当然財政再建というものをやってきた。小さな政府というものを実現しようとした。でもその一方で、言われた、将来への投資というものも非常にめり張りをきかせて強く推進しているわけですよ。産業戦略もそうですし、産業に非常にお金をつぎ込んで投資をしている。教育というものもその根幹として位置づけられていたわけでありますよね。

 ですから、そういうものがあって、要するに強力に推進するものがあったからこそ、歳出改革とかそういったものも生きてきたんだというふうに思いますし、ことしの一月だったと思いますが、内閣府の調査でアメリカの八〇年代、九〇年代の財政再建の要因分析をしております。一番大きな要因は、歳出削減でもない、増税でもない。やはり経済成長なんですね。その経済成長というのは、さっき申し上げた産業戦略も入りますし、教育というものもその一番根幹にあるというふうに思います。

 ですから、余り財務省の魔術にとらわれずに、やはりそれは大胆にやっていくべきだというふうに思うんですよ。それが私は小泉さんの五年間に一番欠けていた部分だというふうに思っております。ただただ大蔵省の主査のように歳出をどんどん減らして増税を図るというこれだけでは、仮に百歩譲って財政再建を果たしたとしても、国は滅んでいるというふうに思います。

 教育というのはそういう意味では一番根幹にある話でありますから、そういったところは、もちろん無駄遣いはだめですが、奨学金とか私学助成とか、あるいは、これもいろいろ議論はあると思いますが、教員の給与というものを優遇することもあり得ると思うんですよ。それは、一方で免許の条件というものをより厳格化してやはりいい人材を確保しなければ、幾ら文科省が決めた内容がよくても、それを実際に教える先生が、情熱を持った、使命感の高い、志の高い、そういった人材がそろわなければ、結局机上の空論になってしまう。そういう意味ではお金はかかると思うんですよ。だから、OECDのほかの先進諸国においては、かなり公的支出というものを行っているというふうに思います。

 ですから、最後の質問にさせてもらいますが、教育基本法、民主党の方ではしっかりこれを規定しているんです。幼児教育あるいは高等教育において無償化というものを漸進的に進めていくんだとはっきり規定しております。これはまた財務省の魔術にかかった人たちは、いや、そんな財源はどうするんだという話もありますから、ぜひ民主党の法案の提案者にお尋ねしたいのは、実際、財政が確かに厳しい中でどうやってその無償化というものを果たしていくのかをお尋ねしたいと思います。

○大串議員 今、北神委員からお尋ねのありました教育の予算についてのお問い合わせですけれども、確かに、先ほど御指摘ありましたように、経済の問題から子供の教育に格差が生じてはいけない、経済の面からの格差が生じないように学ぶ権利の機会の保障をしっかりしていかなければならないという観点で、我々の日本国教育基本法の法案におきましては、公教育に対する財政支出を国民総生産との関係で比率を示して、しっかりと確保していくようなことも盛り込んでおりますし、今御指摘のありましたような、幼児教育そして高等教育における漸進的な無償化、これを進めていくということも法律に示しております。

 ただ、今御指摘のありましたように、厳しい財政状況と両立する形でこれらを責任のある形で保障していかなければならないんですけれども、それに関しては、個別補助金の全廃を通じた地方分権とか、あるいは、特別会計、独立行政法人の見直し等を通じた抜本的な無駄の廃止とともに、今おっしゃいました、まさに予算の重点配分、我々の民主党の予算案におきましては、これまでも、コンクリートから人へ、あるいは物から人へといった形で、予算を本当に未来に必要な部分に重点配分していくという考え方を示しておりまして、こういう考え方を透徹することによって、財政健全化とともに、教育に関するしっかりとした予算手当ても可能になるものというふうに考えております。

○北神委員 ありがとうございます。

 方法はいろいろあると思うんですよ。ただ、教育という、百年の計、人づくりの最も重要な政策について、時の財政運営に余り左右されるというのはやはり問題である。やはり、こういう教育基本法みたいなものに明示的に規定するというのも一つの考えだというふうに思います。

 その点について、もう最後の質問になりますが、大臣と官房長官にお尋ねしたいというふうに思います。どういうふうにお考えかということですね。

○伊吹国務大臣 財務省の魔術から抜け出して見事なチョウになられた先生の御質問です。

 骨太の案は、現時点の財政の状況を前提にして考えているんじゃないかと私は思うんですよ。政権によってそこにはいろいろな肉づけが行われますよね。ですから、従来の概算要求枠にプラスしてこういう枠をつける、あるいはこの特枠で要求の別をつくっていいと。それを使って文部科学省は今もちろんプラス要求をかなりしておるわけですね。ですから、その要求が実現できるように私は全力を尽くしたいと思います。

○塩崎国務大臣 先ほど、よくぞ言っていただいたなという気分になったのは、安倍政権は何しろ成長を重視していこうということであって、財政再建ができた要因の中で一番は成長だというお話が先ほどありました。したがって、成長なくして財政再建なしというのがあの総裁選のときからのキャッチフレーズであり、また、成長なくして、多分主張する外交も、それから、言ってみれば日本の将来もないんだろう。教育も同じことであって、そこのところにまず一番の重きを置いていこうというのが安倍政権の基本であります。

 あとは、先ほど申し上げたように、限られた資源をどう割り振るのかというのが、まさに政治そのものであり、予算そのものであり、そしてまた、この国会での議論というのはそこが最も重要であるわけでありますので、我々としても、最大限努力をしながら、財政再建と、それから、重要である教育の政策にどれだけ重点配分ができるのかというのに挑戦をしていきたい、こう思っております。

○北神委員 どうもありがとうございました。

 最後に、文部大臣、予算要求をする際にプラスの要求をされているというふうに伺いましたが、特に奨学金とか私学助成とか、要は、機会の平等というものをできるだけ実現できるようなそういったところに力を入れていただきたいというふうに思います。

 以上で質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。

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